COLORS~Clear~
だったら。


「……じゃあ。涼佑クン」


さすがに呼び捨ては出来ないけど。


「はい」


“クン”づけなら。
いいかな、思って…。


「ほんとなら。先生って、呼ぶべきなのに…」


違和感は、やっぱりあるけど。



「まだまだ。先生って柄じゃないんで」


謙遜した霧島クンに。


「ううん。立派な先生よ」


赤信号。
彼に振り向いて。

私は笑顔をむけた。
“大人”の、顔で…。

私的には、彼に敬意を持って、の、顔。

でも…。

霧島クンは、そう受け取らなかったらしい。


「…期待を裏切らないよう。頑張らないと…」


声のトーンが。
ワントーン、低くなった。

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