COLORS~Clear~
瞬間。


―ドクン…ッ


胸が。
大きな音をたてた。


―今のって…?


さらりと口にしたけど。
それは、どう受け止めるべきなのか。

私はその一瞬、返答につまって。


「…次期、家元にそう言ってもらえるなんて。光栄ね」


きっとこれが、ベターな返答だろう、思って。
また、大人の顔で。
微笑んで見せた。

そう。
一瞬、ドキッとはしたけど。
ちょっと冷静に考えれば。
そこに、特別な意味が存在なんて、するはずもない。

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