COLORS~Clear~
ただ…。
きっと、あのまっすぐな視線も。
原因になっているんだとは思う。

今どき。
あんなふうに、まっすぐな視線を向けるなんて珍しいし。

そこにあの言葉。

私がまだ、霧島クンと同じ高校生だったなら。
勘違いしてしまっていただろう。

もしくは。
霧島クンが、逆に私と同い年だったら…。


「…………………」


そこまで考えて。
どうしてそんなことをこんなに真剣に、


「考えてるんだろう…」


ふと、我に返って。

こんなふうに考えることなんて、いつもならしないのに。


「…ちょっと。長湯しすぎたのかな…」


私は息を大きく吐いて、ひと呼吸おくと。

お風呂からあがった。

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