COLORS~Clear~
食事が始まって。

さすがと言うべきなのか。
父や母との会話も、郁サンはそつなくこなしていて。

両親に気に入られているせいもあるのかもしれない。

さほど緊張した様子もなく。
気さくだけど、言葉はしっかりと選んでいて。

育ちの良さと、ほんとに頭が切れる人なんだと。
改めてよく分かった気がした。

非の打ち所がない。

そう。
完璧なんだと…。

ただ。


“!”


涼しい顔で両親と会話しながら、テーブルクロスの下。
急に手を握ってきたり。

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