COLORS~Clear~
「沙奈ちゃんの言う通り。寂しがってくれてたら、僕としても嬉しいんだけどね」


まるで予め、二人で作戦を練っていたかのようだった。


「そういう素振りはないのかしら?」


そこに。
母まで入ってきてしまって。


「そうですね。残念ながら…。一緒に仕事をしていた頃から、あまり感情を表に出すタイプではなかったので…。寂しいのは僕だけかもしれません」
「そうなの、透子?」


その状況に。


「郁サンまで…」


私は動揺を隠しつつも、どうすることも出来なくて。

…後も怖かったし。


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