COLORS~Clear~
もし。
沙奈が何かに気づいてるとしたら。



『透子さんは、特別です』

『どうしても、僕が稽古をつけたくて』



あの、言葉の数々。
それはきっと、そのまま霧島クンの気持ち…。


「………………」


正直。
複雑な心境だった。

10歳も年下の。
まだ高校生の男の子。

そう。

私から見れば、まだ霧島クンは“男の子”。

“男の人”ではない。

霧島クンから見た私だって。
もう“オバサン”なはず。

いつから、彼にとって私は“女”で。
私にとって彼は。
“男”に、変わったんだろう…。

気がつけば。
考えてしまう程に……。


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