COLORS~Clear~
「郁サンが、わかってくれてるから。大丈夫」
「透子……」


きっと私たちは、育ってきた環境が似ていて。
背負うものの大きさは、郁サンの方が断然だけど。

似た者同士、でもあるんだろう。

お互い、分かりあえて。
これからも、お互いを労りあって。
同じ気持ちを、共有していける人…。

みんなが変わらず、私を完璧で強い女だと思っていたとしても。
そう見えて、買い被ってたとしても。

これからずっと、一緒にいる。
一緒に時を重ねていく、郁サンがわかってくれてるなら。


「大丈夫…」


心の底から、そう思った。

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