COLORS~Clear~
ただ…。

それでもどこか、霧島クンが頭を掠めるのが気になってはいたけど。

時間が経てば、すべては解決するんじゃないかって。
そう思えるようにもなっていた。


郁サンが与えてくれた物は、ほんとに大きい…。


今まで、味方がいなかったわけじゃない。
母を始め、家族はみんな私を尊重してくれたし。
愛情も注いでくれてる。

もちろん、私の味方。

ただ。
他人では、郁サンが初めてで。
だから余計に、そう感じるんだろう。


「忽那くん、何かいいことでもあったのか?」
「えっ?」
「最近、雰囲気が柔らかくなったと評判だぞ」
「そう、ですか?」
「今日は先方にも。その調子で頼むな」
「あ…、はい」


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