COLORS~Clear~
「では。お先に失礼します」
「今日はご苦労さん」


私は、上司に頭を下げて。
大学生と同じ階で、エレベーターを降りた。

私と一緒の階で、


―良かった


ちょっと、胸を撫で下ろしながら。

エレベーターのドアが閉まるまで上司を見送って、ようやく、仕事から解放される。

部屋に入って、靴を脱いで。

お湯をためようか、シャワーにしようか考えながら、カバンを置いて。

着信や、メールをチェックしようと、カバンを開けた時。


―ピンポーン…


「…えっ?」


部屋のチャイムが鳴った。


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