COLORS~Clear~
「お願いだから。ここにいて下さい…」
「でも…」
「…逃げないで」
「!」


微かに。
微かに、だけど。

霧島クンの声が、震えていた。

思っていたよりも、ずっと大きなカラダ。


「離したくない…」
「──────」


胸が。
締め付けられる。

それでも。


「どう、したの…?何か、あった?」


苦し紛れでも、私はそれを受け入れるわけにはいかなくて。


「透子さん。やめて下さい…。もう、わかって、ますよね?」
「な、にを…?」


あくまで。
気づいてない、ふりをする。


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