COLORS~Clear~
「それに。そんなにプレッシャー感じなくても、郁サン。お茶はわからないみたいだし」
「えっ!?そうなの?」


そんな彼の視線を感じながら。


「でも。せっかくだから、稽古はつけてもらったら?霧島クンに稽古なんて、ほんとならつけてもらえないんだから」


彼に会ったのは、まだ2度目だったけど。

でも。

霧島クンは、


―気づいてしまったのかもしれない…


思った。


「沙奈は。霧島クンの“それ”を。いまいち分かってないようだけどね」


私の中にある。
“苦しさ”に…。


「や。わかってるし」
「ほんとに~?」
「ほんと」

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