COLORS~Clear~
きっと、霧島クンは郁サンタイプ。
私の“ふり”を。
見抜いてるのかもしれないけど…。


“………………”


シュンシュンとお湯の沸く音が、心地よく響く、部屋の中。

この間のように。
見事な手さばきで、霧島クンがお茶を点てる。

きれいな。
大きくて、骨ばった手…。

私はやはり。
その動きに目を奪われてしまう。

繊細なお茶を点てる、その手に…。

無駄な動きがないからなんだろう。
丁寧なのに、気がつくと。


「どうぞ」


もう目の前に、差し出されてる。

心で点てるお茶。

彼はいつも、何を想いながら。
点てているんだろう…。

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