COLORS~Clear~
誰か。


“──────”


大切な人を想って、点ててるんだろうか。


「…俺のお茶は。どんな味ですか…?」
「えっ?」


言葉を失ってる私に。


「どう、感じましたか?」


彼が問いかける。

きっと、


―そうなのね


私は一度目を伏せて、彼に微笑みかけると。


「そうね…」


茶碗を置いて。


「あたたかい、味」
「えっ…?」
「包み込んでくれるような。あたたかさがある味。って、何だかおかしな表現だけど…」


感じたままを、答えた。

そう…。
包み込んでくれるような。
あたたかい味…。

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