COLORS~Clear~
私が心配するまでもなく。
母も同じことを考えていたらしい。


「そう。私もちょっと気になってたの。そのまま帰すのは…って。良かったわ」


彼に微笑んで。
席についた。

席につくと、向かい側。
霧島クンと視線が重なって。

まっすぐな視線。


―ドキッ…


私は思わず、昨日の夢を思い出す。

私がみた夢だし、もちろん、それを彼が知るわけもない。

でも…。

その、まっすぐな目でみつめられると。
なんだか全てを見透かされてるような感覚に襲われて…。

…そう。
郁サンにみつめられるのと、ちょっと似た、感覚…。

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