愛する娘へ〜母からの手紙〜


発病後2年目に入ってから、母の病状は、目に見えて悪くなりました。


お風呂やトイレは、今まで自分でなんとか出来ていたのですが、手摺りがあっても自力で車椅子から立ち上がる事が出来なくなりました。


食事も、お水やおみそ汁などにむせ返り、スムーズに摂ることが出来ません。


そして、この頃から、母の口数が少なくなってきたのです。
喋っても、声が小さく、呂律が回らなくて、何回も聞き返さないと何を言っているのかわかりません。


「なに?もう一回」


何回も何回も聞き返されると、母も嫌気がさすようで、「もういいや」と言って喋らなくなってしまうのです。


私が、1番出てきて欲しくない症状でした。
< 17 / 50 >

この作品をシェア

pagetop