愛する娘へ〜母からの手紙〜
でも、どうせまた怒鳴り散らして終わりだろうな…
私は、駄目もとで父に手伝ってもらいたいと頼みました。
すると、父は渋々ながら、オッケーしてくれたのです。
最初は、
「そんなことも出来ないのか」
と面倒くさそうにしていましたが、夜だけでも母に付き添うようになってから、父の態度が少しずつ変わってきたように感じました。
仕事、仕事で休日も家にいなかった父が、夕方早く帰宅し、母のお風呂の介助を進んで手伝ってくれ、母を怒鳴ったりすることもなくなったのです。
父は、
「こんなに急に進行するとは思わなかったな……もう、はっきり喋ることも難しくなってる…出来るだけ、母さんと話さないとな…」と、少し淋しそうに言いました。
あまりにも、急に進行した母を目の当たりにして、父はショックを受けたのです。
どんなに喧嘩ばかりしていても、心から愛した人……二人で色んな思い出を作って、結婚を決意して、家庭を築き、色んな困難を乗り越えてきた夫婦です。