愛する娘へ〜母からの手紙〜
第2章 母の願い
1、彼氏
発病から4年……
母は、もう自力でトイレにもいけず、オムツをつけて生活していました。
水も、とろみをつけないとむせてしまって飲めません。
箸やコップを持っても、手が大きく震えてしまって、上手く口に運ぶことが出来ず、介助が必要な状態です。
それでもまだ寝たきりにはならずに、なんとか車椅子で生活していました。
私は、専門学校を卒業して、歯科医院に勤めました。
朝の9時から夜の7時30分までが勤務時間なので、家に帰るのは夜の8時を過ぎてしまいます。
父も仕事があるので、昼間はヘルパーさんにお願いをして、夕方父が早めに帰り、お風呂やお夕飯などはしてくれました。
私が帰宅すると、だいたい母は眠りについていて、私は母の介護に携わる事が少なくなっていました。