愛する娘へ〜母からの手紙〜
入院してからというもの、母は意欲を失ってしまったかのように、言葉を発しようともせず、腕一本動かそうともしなくなりました。
「お母さん、腕持ち上げられる?」
そう問い掛けても、母は首を微かに横に振るだけです。
無理もないかもしれません。入院前は、うどんなど比較的食べやすい物を刻んでとろみをつけて食べさせていたのですが、入院後は誤飲して肺炎を起こさないように栄養剤を点滴するのみで、全く食べ物を口にしていなのです。
食べさせてあげたいのは山々なのですが、肺炎を起こしてしまえば抵抗力のない母にとっては命に関わります。
「お腹空いた?」
うん、と頷く母。
相変わらず呼吸も苦しそうで、嘆も結構な量出ています。