愛する娘へ〜母からの手紙〜
母に気管切開の話しをするのは、気が引けました。
でも、話さざるを得ません。主治医からされた話しを母に全て話しました。
母は、顔をしかめて、「嫌だ」と首を横に降りました。
私は、家に帰ってから、母の気管切開について良く考えてみました。
今も、一時間に一回から二回のペースで嘆の吸引をしている中で、退院してきた時の事を考えると、嘆の吸引は私と父がやらないといけなくなります。
そうなると、プロの看護士さんでも難しい母の嘆の吸引が私達に出来るでしょうか。
もし、取り切れずに母が嘆を詰まらせてしまったら……
誰でも、喉に穴を開けるということに抵抗を感じない人はいないと思います。
私も、母の喉に穴を開けるなんてさせたくありません。
まして、二度と母の声を聞けなくなってしまうと考えると、辛く悲しいものが込み上げてきました。