愛する娘へ〜母からの手紙〜
私たち家族にも、全く笑顔を見せなくなり、母の顔は強張っていく一方でした。
「お母さん、どうしたの?どこか痛いの?」
その言葉にも、母は応えない。
「何か反応してくれないとわからないよ」
しばらくして母は、口をパクパクと動かした。
私はボードを掲げて、母の言葉を探した。
『ずっとここにいなくちゃいけないの。もう、疲れた』
その言葉は、私の心に深く突き刺さった。
きっと母は、家に帰れる日のことを心の支えにして病院生活を送っていたのでしょう。
それが、長期療養型の病院に転院になって、帰れなくなってしまった……
母は、気力を失い、自暴自棄になっていたのだと思います。