紅蓮の斜陽



ぐしゃり。


血肉が裂ける生々しい音がして人型が倒れ伏した。


血まみれになった茣蓙に立つのは。





「緋次、貴様…っ!!」



すらりとした長身と、漆器のような緋い髪をなびかせて、実に爽やかに笑って佇む『死ぬべきだった人』。


両手に握られた刀は赤く染まり、手首にまで血がつたっている。



その足元には、介錯役の隊士の頭がごろりと毬のように転がっていた。





「緋次、貴様アアアアアア!!!!」




< 20 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop