紅蓮の斜陽



男は左手に手袋をはめた。


薄い黒の手袋だ。



一度左手を握り、親指と人差し指をたてた形を下の隊士に向ける。



「ばーん」



「……!?」



向けた人差し指から突如炎が飛び出して下の氷を溶かした。


足場が崩れて隊士たちは地面に崩れ落ちる。



「お前何者?」



「面倒だから後で話すよ。
行くぞ」



当然ながら名残も無く、女性と共に男は屋根から飛び降りて敷地内から脱出した。



「おっかねえ奴…」



< 28 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop