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歴史・時代小説一覧
紅蓮の斜陽
28ページ
紅蓮の斜陽
男は左手に手袋をはめた。
薄い黒の手袋だ。
一度左手を握り、親指と人差し指をたてた形を下の隊士に向ける。
「ばーん」
「……!?」
向けた人差し指から突如炎が飛び出して下の氷を溶かした。
足場が崩れて隊士たちは地面に崩れ落ちる。
「お前何者?」
「面倒だから後で話すよ。
行くぞ」
当然ながら名残も無く、女性と共に男は屋根から飛び降りて敷地内から脱出した。
「おっかねえ奴…」
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