紅蓮の斜陽



背を向けた緋次にそっと、低く穏やかな声が注がれる。



「死が怖くはないか」


男は問うた。


緋次は答えず、顔をしかめる。



「再度問うが、死ぬのが恐くないのか」


「お前は誰だ」



背中の向こうで男の声が嗤った。



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