カローレアの金
「え、何これ」
「手錠だ。捕まったんだ、お前は」
アンは頭の中が真っ白になった。
「金髪の奴を見かけたらまず疑うようにしててよかったよ」
衛兵がにやりと笑う。
「…親父の言うこと聞いてりゃ良かった…」
「…そうだ、お前の父親はレベペ盗賊の頭だったな。アジトはどこだ?」
「…吐くわけ無いだろ」
「今の状況をわかってるのか?」
そう言って衛兵は握っているロープを手繰り寄せた。
アンは抵抗できず、衛兵に引っ張られるがままだった。
「言わねえよ。どんな状況であっても」
「ちっ…」
「まあまあ。先に女王陛下の元へ連れて行こう」
もう一人の衛兵がなだめると、ロープを握っていた衛兵はそうだな、とアンを再び引っ張り歩きだす。
アンは抵抗する術もないので大人しく衛兵たちについて行った。