カローレアの金
「…捕まったのか?」
察したらしく、真面目な面持ちになる。
「いや、捕まったわけではないらしい。女王がアンを貰った、とか言ってやがる」
「はあ?」
「……返してもらわなきゃなあ…」
ジャンは笑った。
その顔を見て、男達は恐れを抱いた。
「そ、そうだな…アンはこのレベペ盗賊の跡取りだし…」
「他の野郎共、呼んでこい」
男達は慌てて小屋を出て、人を集めた。
集めた人物達も小屋に入るなり、ジャンのただならぬ殺気を感じて委縮した。
「お、お頭、全員集めたぜ」
「よし…
お前ら、アンが城にいるそうだ。女王が貰った…とかぬかしてやがる」
ジャンがそう告げると、小屋の中がざわついた。
「それで…だ。取り返したいか?それともそのまま放置か?どうしたい?」
ジャンは机に片手をついて問いかけた。
その言葉に小屋の中は静まり返る。
「そんなの…決まってんじゃねえか、お頭」
誰かが声を上げる。
しかしその言葉の続きを遮って、先に答えを述べたのは
「アン姉ちゃん、助けようよ‼取り返したい‼」
アンが拾ってきた孤児、ジルだった。