カローレアの金
「それから、ここの仲間は皆家族だと思え。俺はお前の親父だ」
「お父さん…」
ジルはそうつぶやき、嬉しそうに笑った。
そしてアンの方を向き、
「じゃあお姉さんは僕のお姉ちゃんだね‼」
「アンが姉貴?」
「おいおいジル、それはやめとけ‼アンの奴は男だ男‼女らしさのかけらも無ぇよ‼」
周りにいた盗賊達が声をあげて笑う。
「うるせーよ‼ここにいて女らしさなんて身に着くかよ‼」
「とても十五の、花ざかりの娘に見えねぇよ」
まだ笑い続ける盗賊達にアンは
「上等だ…表出ろ…剣で決着つけてやる‼」
「うへー怖ぇ怖ぇ。お前とやりあえるのなんてお頭くらいだろ」
笑っていた盗賊は手を挙げながら小屋を出て行った。
「…お姉ちゃ……アンさんは強いの?」
ジルがアンの顔色をうかがいながら聞く。
アンはジルの頭を撫でて
「私は強いぞ。親父にも負けねぇ。…あと、姉ちゃんでいいよ」
「優しいなぁアン姉ちゃん」
にやにやしながらジャンが挑発する。
「うるせえクソ親父。殺すぞ」
アンはジャンの目の前にある紙袋を持ち、中を探った。
すると指に、食糧とは思えないもの触れた。
「なんだ?これ…」
引っ張りだしてみると、一枚の紙だった。