カローレアの金
「いやー!壁を走って上ったりさ!あれどうやってんだ!?」
「え…普通に、スタタターっと」
「わかんねぇよ!」
ドッと衛兵たちが笑い出す。
「怒ら、ないんですか?『出てけ!』とか…」
「はあ?なんでだよ。お前が衛兵に加わったことは、大きな戦力を手に入れたと同じ事なのに」
にこにこしながら、アンの背中を強く叩く。
「それにしても、なんで捕まったんだ?」
「河原で寝てたら捕まった…」
「お前バカだなー!」
再び衛兵たちが笑い出した。
ここの空気は、なんだかレベペと似ている。アンはそう感じた。
「お前らそれでいいのかよ!!」
誰かが、そう叫んだ。
笑いが止まる。