カローレアの金

「…レベペは手ごわいようですね」

女王は颯爽と立ち上がる。

「ま、まさか女王様、参戦なさるおつもりで…!?」

「今、小さな可愛い侵入者がいました。これ以上誰かを城に入れるわけにはいかないので」

「かしこまりました。では私はその小さな侵入者を…」

「やめなさい」

女王が冷たい声で衛兵を止める。

「あの子は、宝物を探しに来ただけです。私が取り上げてしまった宝物を…。探させてあげなさい」

「しかし!」

「それにそんな余裕ありませんよ」

女王が笑いながら前を指す。
そこには城へ入り込む盗賊が数人いた。

「あなたがたの訓練は、これがすんだら倍にしますからね。盗賊に破られるなんて、弱すぎます。
私の邪魔をしないように、後衛に回りなさい」

「はっ」

女王は剣を抜く。

「最近、紙面上の仕事ばかりで退屈してたんですよね…お相手願おうかしら」

向かってくる盗賊達に剣を一振りあびせる。

意気込んでいた盗賊達が持っていた武器が壊れ、彼らは丸腰となった。

「はあ!?」

「捕らえなさい」

信じられない、と唖然とする盗賊に衛兵が縄をかける。

「まったく…カインは何をしているのやら…」

女王は歩みを進め、城の外へと出た。

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