カローレアの金
「へぇ…少し会わねぇ間にちっとは成長したみたいじゃねぇか」

ジャンがにやりと笑う。

「ジル、向こう行ってろ」
アンはジルを優しく下ろし、軽く背中を押した。

ジルを抱えながら俺の剣を止めたのか…。
ジャンはゆっくりと剣をしまう。
それを見てからアンも剣をしまった。

「迎えに来たんだってな?ジルから聞いたよ」
「なら話が早い。行くぞ」
「お待ちください」

それは、ローズ女王の声だった。
「…この子を連れて行かれては、困ります」
にっこりと微笑む女王。

「これはこれは女王陛下。アンを連れて行かれて困るとはどういうことですかね?」
ジャンの背後には盗賊が集まる。
対して、女王の背後には衛兵が集まった。

「言葉の通りです。この子は貴重な私たちの戦力ですから」
「……ほぅ?」
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