カローレアの金
「お、おいマジでやるのか?」
「当たり前だ」
団員の一人の問いかけにジャンはサラリと答える。
「女王陛下が…⁉︎なぜロイのために…」
「それに、ロイのこと、レベぺ達はアンって呼んでなかったか?」
「確かに…」
アンはそんな声に耳を傾けず、城に戻って行った女王の後を追う。
「おい待て!」
「あら…ロイ」
女王はチラリとアンを見ただけで、歩みを止めようとはしない。
「やめておけ…殺されるぞ」
「やってみなければわかりませんよ?」
「…両方と剣を交えたことのある奴が言ってんだ。やめておけ。お前が死んだら…この国はどうなるんだ」
「アレンがいます」
女王は淡々と答えながらある部屋の扉を開ける。
中には甲冑と剣が置いてあった。
「あなたを頂くためには、これしかないんです」
笑顔を浮かべた女王は部屋に入って甲冑や剣の点検を始める。
「……んだよ…」
「はい?」
微かなアンの声を聞き取った女王が振り返ると
「なんなんだよ!!!あんたも親父も!!人を物みたいに!!!くれだのやらんだの…なんなんだよ!!!!」
「ロ、ロイ?」
「私は物じゃない…!」