カローレアの金
「勝手に終わらせるなって!」
「アン、私は女王ですよ?さ、早くみんなの所へ戻りなさい」
「……っ」

アンはキッと女王を睨み、その場から飛び降りた。
着地の衝撃が足の裏から伝わる。

「きったねえな、ローズ女王陛下」
「なんとでも?」

ニコニコと笑顔を崩さない女王に呆れ、アンはその場を後にする。
アンの悪態をよしとする女王の姿に、その場にいた衛兵たちは困惑を隠せないでいた。
ざわついていたところにカインの咳ばらいが響く。

「さあさあさあ、訓練開始するぞ、各団でまとまれ!カイン団はこのまま中庭へ移動!」

その声でぞろぞろと移動が始まる。
女王も階段を下りはじめた。

「カイン」
「女王陛下、ロ…じゃなくてアンの奴、完全にへそ曲げてましたよ」
「迷惑をかけますね」

そう言いつつ女王はどこか楽しそうだった。
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