カローレアの金
「見つけるのに骨が折れそうです」

肩をすくめるカインを見て更に女王は楽しそうに笑う。
そこに

「女王陛下」

一人の男が現れた。

「あらイヴァン」
「僕もいます」

イヴァンと呼ばれた男の影から人懐こそうな男が顔を出す。

「ユーリも。どうしました?」
「…先ほどの話は本当でしょうか」

イヴァンが険しい顔のまま尋ねる。

「と、いうと?」
「あのアンという人物の性別、出自の話です」
「私が嘘をつくとでも?」

女王のその言葉にハッとしたイヴァンは慌てて首を振る。

「けっしてそのようなことは…!」
「女王陛下、イヴァンをからかうのはやめてください」

ユーリが苦笑いを浮かべる。
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