カローレアの金
「おいイヴァン、いいか。アンの奴は強い。女王陛下もそのことはわかっている。だから俺の団、カイン団に配属されたんだ。強いから、王子に剣も教えてるんだ」
「カイン、お前は部下に甘い。そんな奴の言葉を信じるわけにはいかない」
「はあ?お前の敬愛する女王陛下もアンの強さはわかってるんだって言ってるだろ?この城でアンと本気でやりあったのは俺と女王陛下だけだ。訓練でアンと手を合わせた奴らもみんなアンの腕を認めてる。
そうだ、さっきのあいつの父親とのやりあいも見ただろ?」
「見てないな」
「嘘つくなってイヴァン」

ユーリが口をはさむ。

「は?見てたのか?見てたならわかるだろ!あいつの強さ!伊達に団長やってないだろお前」
「イヴァンは認めたくないんだよな~」
「黙れユーリ!!」

イヴァンの怒鳴り声が響く。
その場に残っていた衛兵たちが団長達の間に流れるただならぬ空気を感じ取った。
静寂を破ったのは女王陛下だった。
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