カローレアの金
「ま、しばらくは様子を見ましょう。北の統治管理はよくやっていただいてますし」
「統治管理だというだけで、統治自体はしていませんけどね。相変わらず飲めや歌えやの騒ぎらしいですよ、ほぼ毎日」

サインスのその物言いに女王は目を丸くする。

「あら、そんなにルイド様のこと嫌いでしたっけ」
「嫌いも何もありませんよ、別に」
「おはようございます」

食堂の扉が開き、朝の挨拶と共にアレン王子が現れる。

「おはようアレン」
「おはようございます王子」
「朝の騒動は大丈夫でしたか?僕は城内にいろという指示をいただいたので外の様子を知らなくて……」
「ああ、大丈夫でしたよ。ただまあ衛兵の腕がまずいなと思ったので訓練を厳しくするように指示しました」
「それはそれは……」

アレンが苦笑いする。
幼いころに母親に怒られたことを思い出し、衛兵たちを気の毒に思った。
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