ワタシハムテキ
「なんだっけな…なんとか……咲…だっけ…」

「咲──!??」

「………なに?」

あたしは潤の表情が変わったのを見逃さなかった


「知り合い、なの?」

すると、潤の口から信じられない言葉が──





「元カノだ──」





「え………?」

そりゃ、あたしにだって元カレとかたくさんいるし、潤に元カノがいてもおかしくない

でも、なんだろう

このむしゃくしゃした感じ

「なんなんだよ、あいつ……」

…そんな言い方しないで……

「やだ」

─ギュッ

運転中の潤の左手を握る

潤の元カノって知ってたら言わなかったのに

「変なことしないで。これ以上元カノのこと考えないで。関わらないで」

あたし…重いかな

てか、こんな余裕がなくなるのって初めて───


「わかったよ」

潤はあたしの頭を優しく撫でてそう言った

「でも、何かあったらまた俺に言えよ?」

「……うん」



…心の中では、絶対言わないと決めた─






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