甘い誓いのくちづけを
「とりあえず、最後まで怒らないで聞いてね?」


さゆりは眉を寄せて怪訝な顔をしながらも、程なくしてゆっくりと頷いて見せた。


「あのね……」


それを確認してから切り出した、文博との事…。


彼との関係がダメになりそうな予感がしていた事を告げた上で、婚約を破棄されてしまった理由を話したけど…


「何なのよ、それっ!!瑠花を何だと思ってるのよ、あの高慢インテリ男!!」


さっきの同意はどこへやら、さゆりは烈火(レッカ)の如く怒った。


「そんな男、別れて正確よっ!!」


目くじらを立てた彼女が、理人さんと似たような事を言ったのが何だか可笑しくて…


あたしは込み上げる笑いを抑え切れずに、つい小さく漏らしてしまった。


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