甘い誓いのくちづけを

理人さんとの一連の流れを話し終えた時、お互いのビールのジョッキはすっかり空っぽになっていた。


さゆりが気を利かせて頼んでくれたサラダや枝豆は、ちっとも減っていなくて運ばれて来た時のままだというのに…


彼女は本日二杯目となるハイボールに、あたしはカシスオレンジに口を付けていた。


「……という訳です」


あたしが何故か敬語で締め括(ｸｸ)ると、それから少しの間さゆりは言葉を失っていたけど…


半分以上残っていたハイボールを一気に飲み干して、顔に戸惑いを浮かべながら口を開いた。


「まぁ、色々と驚いてるんだけど……」


眉を寄せたさゆりが、あたしの瞳を見つめる。


「とりあえず、瑠花が初対面の人に付いて行った事に一番ビックリしたわ」