甘い誓いのくちづけを
「……メールに、『別れたから結婚の話はなくなった』って書いたでしょ。本当にその通りだし、何も話す事なんてないよ」


我ながら、酷く投げやりな説明だとは思うけど…


酔いに任せてメールを送れた昨夜とは違って、今は素面(シラフ)の状態。


ましてやもうすぐ午後の業務に戻らないといけないのに、下手に詳しく話して泣きたくなってしまってもどうにもならない。


そんな理由から、どうしても冷たい口調になってしまった。


「いくらまだ親戚にも報告してないとは言え、突然そんな事言われても困るわよ……」


耳元で響く深いため息に釣られて、ついため息が漏れる。


「それより、瑠花はちゃんと納得出来てるの?どっちにしても、お父さんにはどう説明しろって言うの……」


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