甘い誓いのくちづけを
ほんの一瞬だけ、目を小さく見開く。


その後で、理人さんが口にした台詞はどこを取っても胸が高鳴るものばかりだ、って事に気付いた。


カァッと顔が熱くなるのがわかって、全身で恥ずかしさを感じる。


どう解釈をしても、心がときめく言葉。


それを素直に受け入れて照れてしまうあたしは、きっと小さな子どものように単純過ぎるのだと思う。


だけど…


電話の向こうで、あの柔らかくて優しい笑みを浮かべる理人さんを想像してしまって、どうしても甘さに包まれた胸の奥が騒ぐ。


「……瑠花ちゃん?」


「はぇっ!?」


そんな中、あたしの心中なんて知るはずも無い理人さんに呼ばれて、またしても酷くマヌケな返事をしてしまった。


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