甘い誓いのくちづけを
目を見開くあたしに、さゆりが少しだけ呆れたような表情を見せた。


「『どうして?』って言いたそうな顔だけど、頬が赤いわよ。それ、お母さんのせいじゃないでしょ?」


彼女の質問にどぎまぎしながらも課長の視線を感じて、慌ててパソコンの電源を入れた。


隣にいるさゆりから無言の圧力を感じるのは、恐らく気のせいじゃないのだろう。


「言っておくけど、さっきの電話はお母さんからだよ。その後、たまたま理人さんからも電話が掛かって来て……」


「ふ〜ん」


「本当だってば!」


「まだ何も言ってないけど?」


「だって、目が疑ってる……」


「別に疑ってないわよ。ただ、どうして顔が赤いのかな〜って思って」


楽しげに笑うさゆりは、完全にあたしの事をからかっている。


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