甘い誓いのくちづけを
な、何よ……


隣のデスクで仕事を再開させたさゆりを睨んで無言で抗議をしてみたけど、彼女は素知らぬ顔で淡々と業務を熟している。


しょ、勝負下着なんて……


頭の中では必死に否定しようとしているのに、変に意識してしまう。


そんなの、必要ある訳ないじゃないっ……!


きっと、食事に行くだけだし!


そんな風に言い聞かせてみても、脳裏を掠めるのは理人さんに抱き締められる自分(アタシ)の姿。


バッ、バカッ!!


何考えてるのよっ……!


頭の中に浮かんだ雑念をどうにか押し退けて、さゆりに負けじとパソコンのキーボードを叩き始める。


だけど…


その邪魔をするかのように何度も脳裏に浮かぶのは、やっぱり理人さんの優しくて柔らかい笑顔だった――…。


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