甘い誓いのくちづけを
通話終了を告げるディスプレイと、一人ぼっちの静かな部屋。


さっきまで耳元で響いていた甘い声の余韻は、その二つによってあっという間に消え去ってしまった。


蜂蜜のような甘さを帯びていた時間に、まだ胸の奥が高鳴っているのに…


その中に、ほんの少しだけ切なさにも似た感情が混じっている。


それはみるみるうちに大きくなって、呼応するように寂しさが込み上げて来た。


胸の奥が、キュッと締め付けられる。


たった今電話を切ったばかりなのに、もう声が聞きたい。


1日でも…


むしろ1分でも1秒でも早く、理人さんに会いたい。


この感情の呼び名は、きっと一つだけ。


そんな事を考えて、また胸の奥がキュッと締め付けられた――…。


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