甘い誓いのくちづけを
―――――――…



それからリビングに辿り着くまで、随分と時間を要してしまった。


だから、あたしがリビングに入ってから数分もしないうちに、理人さんも中に入って来た。


「……どうしてそんなところにいるの?」


部屋の隅で膝を抱えて小さくなっているあたしを見て、彼がキョトンとしている。


「だって……」


恥ずかしさと緊張で、どう過ごせばいいのかわからなかった。


どこにいても落ち着かなくて、部屋の隅にいるのが一番マシだったのだ。


それを言えずにいると、理人さんがフワリと微笑んだ。


「そんなところにいたら、体が冷えるよ。もうすぐ6月だけど、今夜は少し肌寒いから。ほら、おいで」


彼はソファーに腰掛け、優しい声音であたしを呼んだ。


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