甘い誓いのくちづけを
どうすればいいのかわからなくて、少しの間考えて。


だけど、自分に向けられた優しい手への誘惑には、どうしても勝てなくて。


ゆっくりと立ち上がって、理人さんの元に怖ず怖ずと歩み寄った。


「捕まえた」


ソファーの前に辿り着いたあたしを、彼はギュッと抱き締めて笑った。


お風呂上がりの理人さんの髪型は無造作で、彼の表情をあどけなく見せる。


「座って。喉渇いてるよね?」


言われた通りに隣に腰を下ろして頷くと、理人さんがミネラルウォーターをグラスに注いでくれた。


「ありがとうございます……」


お礼を言ってからそれを飲むと、熱を帯びた体に潤いが与えられて…


やっと、ほんの少しだけ緊張が和らいだ。


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