甘い誓いのくちづけを
体が軽く跳ねてしまったくらい性急にベッドに降ろされた直後、理人さんが覆い被さって来た。


「瑠花は、俺を煽るのが上手いね。でも……あんまり俺を煽らない方がいいよ。瑠花の前では、いつだって余裕がないんだから……」


困ったように微笑む彼を煽っているつもりなんて、ちっとも無い。


だけど…


だったらいっそ、全ての余裕を失くして欲しいと思う。


「じゃあ……余裕なんて失くして下さい……」


だって…


「あたし……理人さんと釣り合わないんじゃないかって、本当はいつも不安でいっぱいなんです……。だから……理人さんと離れてる時は何だか恐くて……」


あたしは幸せの中に潜む不安のせいで、いつだって余裕なんて無いのだから…。


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