甘い誓いのくちづけを
どう考えても、理人さんの方がずっとずっと素敵なのに…


あたしを見つめる彼の表情は、本気でそう思ってくれている事をどんな言葉よりも雄弁に物語っていた。


「その辺の女性(ヒト)達からの視線なんて、俺にとってはどうでもいい事なんだよ。瑠花の心さえあれば、他の人の心なんて必要ないからね。それに……」


理人さんの指先が、あたしの唇をそっと掠めた。


そこから伝わる温もりに、何故だか胸の奥がグッと熱くなった。


「俺が何に価値を感じるのかも、誰と一緒にいたいのかも、俺が自分で決める」


真剣な表情は、どこか少しだけ怒っているようにも見える。


「だから、俺に釣り合わないなんて思わないで。そんなつまらない事は考えなくてもいいから」


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