甘い誓いのくちづけを
「俺はどこかの店のモーニングより、瑠花の手料理が食べたいんだ。だから、その為ならいくらでも待つよ」


そんな風に言われてしまったら、もう選択肢は一つしか無い。


「……あんまり期待しないで下さいね?」


「それは難しいお願いだね」


眉を下げて微笑むと、理人さんが悪戯な笑みを浮かべた。


再び期待に満ちた表情に戻った彼に、少しだけ不安になってしまったけど…


「とりあえず、準備をしようか」


こうなった以上は覚悟を決め、頷いてから脱衣所を借りて服を着替え、簡単にメイクを施した。


それから先に準備が出来ていた理人さんと玄関に行った時、ふと気になった事を口にした。


「あの……今まで、料理を作ってくれる人とかはいなかったんですか?」


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