甘い誓いのくちづけを
「そんなに嬉しそうにされると、今すぐに襲いたくなる」


耳元で落とされた低い声音に頬がカァッと熱くなった直後、唇に優しいキスが降って来た。


「瑠花の手料理がなかったら、このままベッドに戻りたいんだけど……」


理人さんは悪戯に微笑んで、あたしの頬にもキスを落とした。


「それは、帰ってからのお楽しみだね」


ドキドキと騒ぐ心臓から運ばれる血液には、飛び切り甘い成分でも入っているのかもしれない。


胸の奥がキュンキュンと鳴いて、体中が幸せに包まれていった。


「行こうか」


理人さんに手を引かれて頷いたあたしは、ドキドキと騒いだままの心臓を隠すように俯く。


すると、彼はいつものようにクッと笑った――…。


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