甘い誓いのくちづけを
「相模、後は頼む」


理人さんは言い終わるよりも早く、あたしの肩を抱き寄せようとした。


だけど…


「触らないでっ……!」


立ち尽くしていたあたしは、咄嗟にその手を振り払ってしまった。


無意識の行動だったけど、自分が取った態度に驚いて目を大きく見開く。


それは理人さんも同じだったみたいで、彼は驚きのあまり言葉を失っているようにも見えた。


「あ、の……っ、ご……ごめんなさい……」


震える声で紡いだ謝罪は、一瞬で大理石の床に吸い取られた。


状況を把握出来ないながらも、ちゃんと話をしたいと思っているのに…


「瑠花……」


眉を寄せて表情を歪める理人さんに、どうすればいいのかわからなくなってしまった。


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