甘い誓いのくちづけを
理人さんには、ちゃんと素敵な女性(ヒト)がいて…


毎日毎日バカみたいに悩んでいたのは、自分(アタシ)だけだったのだ…。


理人さんがずっと電話をくれていたのは、きっとあたしとの関係を終わらせたかったから…。


そう思いたくは無かったけど、そんな風に考えればとりあえず辻褄が合う事に気付いて、思わず嘲笑が漏れた。


バカみたい……


本当にバカみたい……


一人で舞い上がって、理人さんの恋人だと思い込んでいた。


あんなにも素敵な男性(ヒト)が、何の取り柄も無い自分(アタシ)と釣り合うはずが無い事はわかっていた。


それなのに…


ほんの少し前までは呑気に幸せに浸っていたなんて、身の程知らずにも程がある。


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